『揺れる羽根』
無我夢中で、今日まで生きてきた。
必死に羽をばたつかせながら。
たくさんの困難に出会い、迷って、苦しんで、その度に高く飛ぼうとがむしゃらに翼を動かした。
うまく飛べなくて、たくさん失敗してきた。
飛ぶことだけで、生きているだけで精一杯だった。
振り返ると、そこにあるのは僕の翼から抜け落ちた頼りない羽根ばかり。
それはボロボロで、傷だらけで、決して美しいとは言えない。
でも、怯えながらも戦ってきた。
背けたくなる現実から逃げなかった。
不器用ながら飛び続けた。
この羽根たちが、それを証明してくれている。
みっともなくていい。
周りより劣っていたっていい。
僕は僕のままでいい。
これからも、羽根を散らして飛び続けるんだ。
地面に落ちた羽根が風に煽られて揺れている。
僕の羽根、なんて美しいんだろう。
10/25/2025, 3:08:54 PM