【信号】
赤が長く続く交差点で、君を待っていた。
僕の視線は、ただ前の信号に釘付けだった。
青になる瞬間を、心の奥で何度も想像していた。
遠くに、君の影がちらりと見える。
走る人々の中、君だけが僕の世界を変える速度で近づいてくる。
信号は無情にも、僕のもどかしい時間を引き伸ばす。
でも、止まることで、見えるものもある。
赤は、待つことの特権だ。
やっと青に変わると、僕は一歩を踏み出す。
君も気づいたようで、笑う。
その笑顔が、信号以上に僕の心を動かした。
交差点を渡るたび、僕は君の存在を確かめる。
止まって、待って、そしてまた進む。
そんな日常の中に、僕の全部があった。
赤も青も、僕にとってはただの色ではない。
君のために時間を刻む、僕だけのリズム。
9/5/2025, 12:13:34 PM