「せんせぇ、本当に良かったんですか?」
隣を歩くいつもとは違う貴方。
紺色のセーターといつもよりちょっと短いスカート。
セミロングの髪の毛はふわふわに巻かれていて、贔屓目なしにもやっぱり可愛いんじゃない?
生徒を可愛いと言ってしまうのは色々良くない気がするけど今日ばかりは許して欲しいものだ。
「良くは無いけれど、まぁ…貴方ならいいかなって。」
またまた会った初詣の帰り、お昼に誘われた。
普段の俺なら生徒からのお誘いなど絶対に断るが彼女となると話は変わってくる。
もし断ってしまったら悲しそうな顔をするのは目にめえているので、新年からそんな顔をさせてしまうのは可哀想だな、なんていう半分親みたいな気持ちで承諾した。
「先生とお昼御一緒できてうれしいですっ!」
「俺も嬉しいよ。貴方は何が食べたい?」
「オムライス、!私大好きなんです、」
「じゃあ……貴方が嫌じゃなければだけど……、俺が作ろうか?」
彼女のキラキラした瞳に見つめられて変なことを口走った自覚はある。
何言ってんだおれ、なんて思っても後の祭り。
「せんせいの手料理……!?幸せすぎてしねる……、」
「っ…大袈裟、……じゃあ家おいでよ、」
もう回避する方法はないようで、
俺だってこの子が生徒でなければ喜んで家に呼びたい。
……まぁ、家ぐらいいいか。弁えているちゃんとした子だし、なんて自分を納得させてそう返事をした。
2024.1.6『君と一緒に』
1/6/2024, 11:54:18 AM