ずっと隣でフッ、と耳に風が吹く。通り風なんて珍しい、気にせずペンを動かすと二度目の感覚が私を襲う。思わず横を見ると彼がにやにやとこちらを見て笑っていた。「…何かよーですか」「なにも?」怒り混じりの声で答えたからか、彼はさらに笑顔で呟く。こちらを見る顔が嫌味ったらしい。やられっぱなしでは腹が立った私は彼に仕返しをしてやろうと体を近づけた。
3/13/2024, 10:59:23 PM