佐伯

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お題:新年(創作)

打倒新年


元旦早々に結婚報告をして来た知り合いのSNSをミュートにした。ブロックしてもよかったのだが、角が立っては面倒くさいため後々日が開いてからブロックしようと思う。いや、ミュートのままの方が良いか。悩む。

結婚自体は良かったねと思うが、わざわざ年が明けるのを見計らって、特別感を出そうとする演出に感情的だがイラっとしてしまった。私たちの結婚はサプライズの価値があると思っているのかな。それなら等しく皆そうである。それに今後元旦になるたびにこれを思い出すのは鬱陶しい。

年に最低一回は会うことがある子で言おうと思えばいつでも言えるだろうに、心は二枚目だったんだなと苦笑いしてしまう。

独身が少しずつ減って付き合いもかつてほどは圧倒的に減るのはもう慣れた。各々どうぞお幸せにである。あなたがたの幸せは喜ばしい。ええ、本音ですよ。

ただ、祝う方も時に疲れるのも事実。だっていつも祝う側だから。固定ポジション。入れ替えなし。祝った分お返しなんて来ない。私が祝われることはないし、まあ結婚するつもりもないから。

それは当然だから仕方ないけどこちらとて「おめでとう」と言われたくなる時が時たまある。

歳をとってから「おめでとう」と言われることって案外選択肢が限られていて、結婚かキャリアアップぐらいだが、私にはそのどちらも縁がない。

せいぜいあるとすれば「新年おめでとう」という年始のお決まりフレーズでこれはただの挨拶でしかない。

だから、自分自身で言っていく。

「ここまで生きてきてえらい。おめでとう」
「辛い時も1人で乗り越えてきたよね。おめでとう」
「いつも祝う側で頑張ってきたね。おめでとう、私」

新年、また私が始まる。自分の幸せを自分でミュートして蔑ろにしたりはしない。

私の新しい年はまだまだ続くのだ。
いや、続かせるのだ。





1/1/2024, 5:47:44 PM