ぐにゃぐにゃだ。いとしのあの子にあげるプレゼントをふたつ、みっつ。よっつめを準備したところに想定外の事態、そう、突然あの子とばったり会ってしまった。ガラス一枚向こう側、午後の陽が差し込むカフェで最近お気に入りらしいソイラテを慎重に口元へ持っていく小動物。まだおれに気づく様子のないあの子は伏し目にスマホをじっと見た後、顔を上げておれを見つけ、ぱちんと音がしそうなまばたきをしてから破顔する。きっと何を言っても、用意したそれを順番にあげたかったおれの気持ちを汲むことはしてくれないだろう。そうとわかっていて、そうなるだろうことを望んで、むしろ気づいてほしかったのは紛れもなく、そう、おれです。
// 大好きな君に
3/4/2024, 7:35:45 PM