手ぶくろを外してコートのポケットに入れる代わりにスマホを取り出す、スマホに対応している手ぶくろをいつか買おうと思いながら、なんとなくそのまま使い続けて過ごしている。サイズもあっているし肌触りもいいしと新しく買わない理由をなんとなく上げながら案外に自分はこの手袋を気に入っているのだろうかと、ずいぶんと長く使っている手袋を思う。ひんやりとした空気を感じながらスマホを触る手は段々と冷えていく、メールを見ればたまに買う店からセールの知らせが届いている。狙ったかのような手袋の広告を眺めて今の手袋と比べながら、買わない理由を考えている自分に気が付くとスマホをしまって手袋を取り出す。ずいぶんとお気に入りだったらしいくたびれた手袋を眺めて少し丁寧に指を通しながら、あとで手袋の手入れ方法でも調べるかなと昨日まで考えもしなかったことを思う。
12/27/2023, 1:12:02 PM