ところにより雨
「はぁ、私ってほんと雨女だ。」
大袈裟に溜息をつき、バスの窓から外の景色を眺める。
楽しみにしていた修学旅行でさえ、雨になってしまい溜息ばかりが自然と出てくる。
そんな私を横目に、隣にいたミカは大袈裟に笑った。
「ほんと、あんたがいると百発百中で雨だね。」
私が軽く睨むと、ミカは冗談冗談、と私の頬を指でつつきながら言った。
「私のいるところにより雨だね、、、。」
思っていた以上に落ち込んでいる私を見て、ミカは少し黙って見つめたあと、口を開いた。
「でも、私はあんたが雨女で良かったと思ってるよ。」
私はミカの言葉を聞き、窓の外の景色からミカに視線を移す。
ミカは微笑みながら言った。
「だっていっつも虹が見れるんだもん。」
ミカは窓の外を指さした。
その先を見ると、大きな虹がかかっていた。
「あんたのいるところにより虹だね。」
私たちは窓に張り付くように、虹を眺め続けた。
3/24/2024, 1:48:53 PM