前回投稿分からの続き物。
「ここ」ではないどこか、別の世界に、「世界線管理局」なる厨二ふぁんたじー組織がありまして、
ここで1匹、都内在住の稲荷子狐が、偉大な御狐、立派な稲荷狐となるべく、絶賛修行中。
法務部に預けられて、そこから出向するカタチで、収蔵部のお手伝いをしているハズなのですが、
そこはさすが五穀豊穣・商売繁盛のお稲荷様、
何故か経理部の部長さんに気に入られております。
「子狐。プロアイルルス経理部長は、お前の仕事ぶりを、たいそう気に入っておられます」
その日もコンコン子狐は、経理部長から直々に呼び出しを食らいまして、とってって、ちってって。
本来なら自分の担当じゃない部署、経理部の、部長室に入ってゆきました。
「子狐。経理部長は特別に、お前にご褒美を授けます。喜んで受け取りなさい」
その日も管理局の経理部長、招き猫もビックリのビッグおデブネコ部長は、にゃごにゃご。
子狐相手に満足そうに、ふんぞり返っています。
よほど機嫌が良いのでしょう。
ゴロゴロ、ごろごろ、喉を鳴らしています。
経理部長の秘書が子狐に、封筒をひとつ渡します。
「それを持って、アンゴラの期間限定、星空花見カフェへ行きなさい」
封筒の中には、美しいミスリル金糸の刺繍が為された、レースハンカチが3枚。
「さすれば子狐、お前はカフェの最上級特等席で、最高級の待遇を受けるでしょう」
それはすなわち、期間限定カフェのフィナーレイベントに参加するための、招待券でした。
「子狐。桜散る星見カフェを、お前の大事な局員でも2人連れて、存分に堪能してきなさい」
桜散るカフェ!大事な局員!
コンコン子狐は、ばびゅん!急いで自分の本来の修行場所、管理局の収蔵部に行きました。
子狐にとって、大事な局員といえば、約4人。
法務部のコーヒーのおじちゃん(お兄さん)とタバコのオッサン(ドラゴン)と、
それから収蔵部の優しいお嬢さんと、そのお嬢さんの親友さんでした。
「おねーちゃん!おねーちゃん!」
コンコン子狐はお嬢さんを選びました。
「おねーちゃん、カフェ、いこう!」
子狐は優しいお嬢さんが大好き!
お嬢さんになら、爪を切られたって、お風呂に入れられたって、ドライヤーをガーガーされたって、へっちゃらです。それだけ大好きなのです。
「これ……コンちゃん、どーやってゲットしたのぉ」
尻尾ぶんぶんで飛び込んできて、花見カフェの招待券を見せてくる子狐に、
収蔵課のお嬢さん、ドワーフホトは驚きました。
「桜とプラネタリウムを一緒に楽しめる」をコンセプトに作られた星空花見カフェは、
桜の開花とともに開店して、
桜散る頃に、フィナーレを迎えるのです。
そして
桜散る間際に立ち会うフィナーレイベントは
数量限定、少数販売、大変貴重、
予約販売が出回る前に、世界線管理局の重役配布分で、完全完売しておりまして。
そんな高額転売のダークマーケットにも登ってこない幻チケットを子狐が持ってきたのです。
そりゃドワーフホトのお嬢さんも腰抜かすのです。
「おねーちゃん、カフェ、いこう!」
尻尾ぶんぶんビタンビタンの子狐が、お目々を輝かせて言いました。
「うん!行こう!」
ぴょんぴょん感激のお嬢さんも、お目々を輝かせて一緒に喜びました。
それからお嬢さんと子狐は、お嬢さんの親友を経理部に一緒に迎えに行って、
そして、桜散るテーマカフェのフィナーレイベントに、一緒に向かいましたとさ。
4/18/2026, 6:38:21 AM