あの頃の自分が、バリバリのおっさんだと思っていた年齢はとうに過ぎた。
もはや、初老と言っても過言ではない。
いや、過言であってほしいが、老化と呼べるものが自分の中で着々と進行しているのは確かだ。
身をもって感じる。
あの頃は、こんな歳になった自分を想像出来なかった。
今だって、自分が死を迎える時のことなど想像出来ない。
いずれ来ることだけは頭で理解しているが。
時は流れて止まることはなく、気付けば今の自分も、あの頃の私に変わってゆく。
どの時代の自分にも、満足してる訳じゃない。
でもきっとその時の自分の精一杯だったと思う。
だから、あの頃に戻りたいという感慨はない。
あの頃の自分なりに頑張ってやり切ったはずだから。
あとは、この先を精一杯で生きていくだけ。
あの頃の自分に伝えたいことがあるとしたら、
「頑張ってるよな、知ってるよ」
何の偉業も達成しちゃいないけど、ここまで生きてきたことが、そして今の自分があることが、頑張った証。
ヒーローや大富豪になんかなれてないけど、立派なおっさんになれただけで、もう十分だよ。
立派なおっさんには、仕事や家族や趣味がある。
あの頃の自分が持っていなかった、素晴らしいものだってたくさん持ってる。
生きていきゃ、嫌なことや辛いこともあるだろうけど、そんな経験が出来るのも生きているからこそで、それを乗り越えた時の喜びだって知ってる。
だから、きっとこれからも立ち向かっていけるだろう。
不安ながらも立ち向かってきた、あの頃の私のように。
そしていつか、仕事や家族や趣味に奮闘する今の自分に、
「頑張ってるよな、知ってるよ」
とエールを送る、未来の自分になれることを願ってる。
初老を通り越して、正真正銘の老人になった自分が、若かりし頃の自分を誇りに思えるように、精一杯これからを楽しんで、闘って、夢見て、歳を重ねていきたい。
まあ、白髪とか加齢臭とか、いらんもんも増してゆくのには閉口するけどね。
5/25/2024, 7:12:14 AM