ストック1

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ようこそ、我が探偵事務所へ
先に言っておこう、我輩は吸血鬼だ
ああ、恐れることはない
我輩は人間社会で堂々と暮らしているし、日々の食事は動物の血を吸っている
人を襲うことはない
人間が鶏肉や豚肉を食べるようなものだと思ってもらえば、わかりやすいと思う
ま、我輩に吸血されたとて、健康な人間は少量ならなんの問題もないし、大量に吸われるのが危ないのは、単純に大量だからだ
君が吸血鬼になるとか、変な病気になるとか、そういったことは一切ない
吸血鬼の体は無菌でウイルスも無く清潔だから、噛まれた際になにかに感染することもないのだ、実はな
そんな感じだから、安心してくれたまえ
さて、本題に入ろう
我輩は普通の吸血鬼にはない能力がある
紅の記憶というもので、血を吸った相手の記憶を読み取ることができるのだ
読み取れる記憶は、血を吸う相手がその時に思い出している記憶
我輩の能力自体は事前にある程度知っていたのだろう?
まさか我輩が吸血鬼で、血を吸うとは思わなかったと思うが
さて、君にとっては辛いかもしれないな
事件当時の現場を見た時のことを思い出さねばならないのだから
だがここへ来たということは、決心したということだね
さあ、心の準備はできたかね?
ではできるだけ強く、記憶を念じるのだ
少しチクっとするが、我慢してくれたまえよ
……
よし、頑張ったな
……うむ、視えた
では、これから調査を始めよう

11/22/2025, 11:51:36 AM