DORIDORI

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「キス」
みんなキスに夢を持ちすぎだと思っていた。自分で自分の唇を触った感触、それがそのまま自分の唇に触れる相手の唇の感触である。ただそれだけ。それに何か不衛生な気がして気持ち悪かった。特にディープキスは大嫌いだった。でもそれは知らなかっただけだった。ある時外見や雰囲気がとても好みの男の人と出会った。顔もスタイルもずば抜けていて私なんかが話すこともできないような高嶺の花だった。…が、一生分の幸運を使い切ったのか彼が血迷ったのか、彼とキスする機会があった。彼の男っぽい匂いと唇の感触に心臓が今まで体験したことのないような動きをし始めたし、初めてもっとドロドロにキスしたくなった。その後鏡を見たら目はウルウルで頬はピンクの初めて見る艶々しい自分がいた。本能的に本気で好きな男の人とするキスは別物なんだなぁと気づいた話。

2/4/2023, 12:52:05 PM