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 その犬は、いつも遠くの空を見つめていた。空に少しでも届くように、ジャンプをしている。ぴょんと飛んでみると、少しだけ空が近くなる気がした。

 目の前に、おもちゃや、おやつもあるのだ。でも、いつも遠くばかりを見つめていた。ある日、少し高台に行った。坂道をトコトコと登る。とてもわくわくした。行き着いた先は、いつもよりだいぶ高い場所だった。

 ここからなら、あの空に近づけるかもと思った。えいっと、ジャンプしてみた。少しだけ、近づいた気がしたけれど、まだまだ遠かった。もっと高い場所に行こうと思った。そうやって、ずっと遠い目をし続けている。


「遠くの空へ」

4/13/2026, 7:32:13 AM