君の奏でる音楽こじんまりとした発表会で聴いていたピアノの音丁寧で、柔らかい。ひと聴き惚れ、とでも言うのだろうかどうにも、楽器の魅力に取り憑かれてしまったのだ。憧れて通った音楽室、うまく動かない指もそれなりに操れるようになって君の音に近づけるのが嬉しかった「すごい、上手になったね」何よりも嬉しい褒め言葉が沁みた「今度、連弾、したい」緊張で声が震えてしまう「うん。次の発表会は連弾ね」白黒の楽譜が、なんだか色付いて見えた。
8/12/2023, 4:16:34 PM