白の同胞達ははしゃぎながら風に乗って空へ舞い上がっていった。私は足に根が這ったかのように動けずそれを呆然と見送った。「おや、残った子がいたか。」見上げると黒服の男が一人。「なあに怖がることはない。」そう言うと雨が降ってもないのに傘を広げた。風が吹く。「風に全部任せれば良い。」風を含んだ傘は上昇気流に乗って空高く、あっという間に男は豆粒の大きさになった。
4/30/2023, 6:43:23 AM