※見知らぬ街
私が入り込んだ街は「書く習慣」という名前らしい。
毎日19時から住民に向けてお題が出され、それに準じた文章を展示するそうだ。
そして5秒、読者となった住人の視線を奪えば、ハートという独自貨幣が貰えるらしい。
それって結構簡単では?と思った私は、とりあえず今日のお題を提出した。速読でもしていなければ5秒は必須の文章。
だがハート配布時間に落胆することとなる。
3個だった。たったの……3個。
なにがいけなかった?私にはわからず、他作品に視線を走らせる。長文もあるが短文もかなりあった。
その中で驚愕の作品を見つけた。
絶対読むのに5秒も必要ないその作品の末尾には、こう書かれていた。
『昨日は20ハートありがとうございました!』
──────と。
8/24/2025, 10:35:35 AM