1年間を振り返る
迫る年の瀬。
刃の様に冷たい風が、
もうすぐ新しい年を、
連れて来る。
薄灰色の寒空に、
酷く寂しく佇む、
葉を落とした木々を眺め、
1年間を振り返る。
春、夏、秋、冬…。
俺の1年を彩ったのは、
君の優しい微笑み。
陽だまりのように温かくて。
でも。
幻のように儚くて。
君の微笑みが、俺のものだったら。
そんな、叶わない願いを、
心の奥底に押し隠して、
今年もまた、俺は、
君に背中を向けたんだ。
正月、バレンタインデー、
花見、七夕、夏祭り、
ハロウィン、クリスマス。
そして…君と俺の誕生日。
特別な日は、いくつもあった。
けれど、俺は一度も、
君への想いを、
言葉に出来なかったんだ。
長い間、胸の奥に沈んでいる、
この気持ちは、
言葉にするには、
余りに重くて。
来年こそは。
君の横顔に隠された、
本当の心を知りたい。
俺の、君への想いを、
知って欲しい。
残り僅かなカレンダーを見つめ、
きっと、来年も出来はしない目標を、
俺は、ポツリと呟いた。
12/31/2024, 2:58:40 AM