10ページ
アルペスト大革命とファルティ公爵家歴史
―その時代は1000年も前のシーザイク皇帝時代、ファルティ公爵家はウィングレア皇族の第1皇子ウィングレア・ソルド・アルペストの家臣のファルティ・ド・ラルク卿であった。第1皇子は次期皇帝陛下と皆は期待していた。しかし突然に起こった隣国との戦争“ファーストフレア”その戦争でアルペスト第1皇子は余儀無く皇帝陛下の座をウィングレア・ミラド・シーザイクに譲った。シーザイク皇帝陛下は、民を強制労働に入れ、動物の殺生、富の乱用をした。そこで許せないと革命を起こしたのがアルペスト皇子だ。この革命は後に「アルペスト大革命」と呼ばれた。アルペスト皇子、サリグルト公爵、ペペロン伯爵、そしてファルティ卿等数々の貴族を筆頭に革命と呼ぶ反乱を起こした。その結果は大成功。しかし皇帝との戦いで多くの兵と人を失った。アルペスト皇子はその犠牲者の痛み、苦しみを深く分かり、現皇帝陛下のシーザイクを斬首した。
今残っている貴族はファルティ、サリグルト等少数。そしてペペロン家の消失によりアルペストが皇帝になっても多忙で民の整理をできるか不安の状態であった。そこでアルペスト皇帝が考えたのはファルティとサリグルトの昇格。サリグルトを公爵から大公に、ファルティを卿から公爵にし、政治を回したという。そこから初代公爵家当主「ファルティ・ド・ラルク」の歴史が続いた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――『ファルティ公爵家の歴史かぁ……。』
私は分厚い歴史書を閉じた。
『ミミ〜。』
「なんでしょうかアリアンお嬢様。」
『部屋に戻ろう。』
「承知致しました。そのお手に持たれております歴史書は持って帰るのですか?」
『いや、私が片付けておくよ。魔法で一発だからね。』
ヒュイッ ピューンストッ
私が片手の人差し指を上に向けると歴史書が浮き、横にスライドすると元の場所に静かに戻った。私の指先から青い光がヒュルリとくねり、元に戻った。
『よし、早く帰ってお菓子一緒に食べようか?』
「何度も言っておりますが、私はファルティ公爵家の侍女。仕事を放ってお菓子を食べる等…………」
『そっか……じゃあそろそろじゃあお父様に言おうかな…』
「…………!?ちょ、ちょちょちょ…ちょっと待ってください!当主様だけには…!」
『あははっ!嘘嘘!じゃあ午前のお菓子の準備しといてちょうだい!』
「わかりました!」
私は部屋に戻った。午前のお菓子とは言っているが今は夜中の12時。
私は夜遅くに起きてお菓子を食べながら朝日の光を浴びている。
そういう日課なのだ。
キラキラ…………
おっ、朝日が登ってきた。
私は朝日の温もりを感じた。
『嗚呼……今日もいい天気や。なぁ、ミミ……。』
「そうでございますね。アリアン当主様。」
『その名はよしてくれや。ミミがてつおうとしてくれたから当主にのれたものじゃ』
「私は何時でも貴方をお待ちしておりますよ。お菓子を朝日の温もりで照らしながら。いつものように…………」
ファルティ・ソルド・アリアン公爵家当主
1027年 春聖期 寿命により死去
アリアンはこの国に恵と魔法の文化を取り入れ発展に貢献したことを称する
6/10/2024, 3:52:31 AM