「君と最後に会った日」
初めて会った夏の日に自らいのちを断とうとする君に出会った。
蝉が鳴く昼に君は線路へと飛び立した、
僕は反射的に助けようと君に飛びかかった。
結果的にいのちは無事だったか、君はきょとんとしていた。
話を聞いてみると、彼女の自殺理由は想像を遥かに超えていた。
父は暴力的で毎晩殴られ、蹴られひどい時は性暴力的まで振るわれているらしい。
そんな中、母は毎晩父ではない男と遊び、
見て見ぬ振りをしてくることなど、色々なことを教えてくれた。
話を終えた途端こどもみたいに泣き出した。
そうとう辛かったのだろう。
僕には話を聞くことぐらいしか出来なかったけど、君が泣くことができたならよかった。
そう思い君と別れの挨拶を交わし、振り向いて歩き出した瞬間
「グシャッ」
という鈍い音と共に君は吹き飛んだ。
君と初めて会った日に、君は亡くなった。
6/26/2024, 2:36:08 PM