雑穀白米雑炊療養

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塩水が乾き濃縮された塩田、そこに湖の様に溜まった雨水が夜天を映す。星の降りしきる空は暗く、冷えた夜の大気は呼吸の度に体温を奪う。
流星は願いを叶えるとも言うが、人の死と繋げて考えられる事も多い。落ちる星が自分の星でないよう祈る話もある。もう随分昔に、ここで友と共に見た一つの流星は、その友の星であっただろうか、それとも己の星であっただろうか。流星を見て間もなく戦火に巻かれ、友のその後は知れない。自分はその時に親兄弟をなくし孤児となった。
流星というのはすぐに燃え尽きるか、人の目に触れず確認されないだけで一日に数え切れない程落ちている。落ちる星が人の命なら、目に見える程の降り続ける星ゞは未だ続く戦争によるものだろうか。兵士も一般人も、大人も子供も死んでいく。
自分の願いは自分のものだ、誰かの、自分の外にある星には願わない。ここに居るのは己の未練だ。己が方をつけるべきものだ、頼るものは自分だ。今までもそうだった。友を失くし、家族を亡くし、ただ一人となり頼れるものは己が身一つだった。
流星は燃え尽きても塵を残す。何も残さないわけではないのだ。誰にも知られず消え入ろうと、残るものはたしかに在った。誰にも知られたくなくても、ほんの砂一粒と言えるほどのものだろうと、何も残さずに行くことは出来なかった。たとえどのような姿を取ろうと、生きたことがいずれは他の誰かの道を示す輝きになる。地図も羅針盤も無く先の見えない暗闇でも、星と地形を見定めれば進むべき道がわかる。己の現実と、星から発された光を導に自分は生きぬいた。自分以外の誰にもわからないことだ。
どれもすべてを知られる必要はなく、この先詳しく知られることも無いだろう。それでも、枯れた植物も養分となって巡るように、たしかに在った存在が遺していったものが、多くの存在に役立つように自分は願う。いずれ人を生かすものの一つとなるように。

4/27/2024, 7:09:05 AM