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「…元気かな」

小声で言ったその言葉。
冷たく透き通ったのに、

「え？何か言った？」

と、言う君。
君には聞こえていないのかな。

「いや、なんでもない。」

そう言って笑った自分の顔。
思い出してるのが君とは到底言えない。

おかしなもので。
君は目の前にいるのに、遠くにいる様に
感じる。

だから思ったんだ。
遠くにいる君は元気かなって。
目の前の君には目もくれず。

元気でいて欲しい君と。
そのままでいて欲しい君。

気づいて、気づかないで。
もちつもたれず、気ままに。

「何かあった？」

目の前の君は言う。

「…元気かな！」

僕は精一杯にそう言って笑った。
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4/9/2025, 2:58:22 PM