ボレロの旋律(テーマ:良いお年を)
大晦日の夜は、特別に何もしないのがマイルールだ。家族とどこか旅行に出かけるわけでも、友人たちを誘って遊びに行ったりするわけでもない。年越しジャンプもしないし、カウントダウンもしない。
午後十時には布団に入り、チャンネルをテレビ東京に変える。画面に映し出されるのは「孤独のグルメ大晦日スペシャル」。大晦日にすっかり恒例となってしまった。お使いを頼まれ各地を奔走する五郎さんを見ながら、私はついつい気持ちよくなって眠りこけてしまう。退屈だから、ではない。ただ、気持ちがいいのだ。音楽などを聞いている時とおなじ。
二年前にはついに寝落ちをしたことがある。午後十一時を回ったタイミングでおそらく眠ってしまったらしい。ハッと目覚めた時は七時を回っていた。テレビには、元日の朝から放送されている「孤独のグルメ」再放送が流れていた。でも、その瞬間が幸せだ。
今年は、眠ることなく年越しを迎えることができた。少し嬉しい。年越しの瞬間は、テレ東の「ジルベスターコンサート」を流して過ごした。ラヴェル作、ボレロのオーケストラ演奏は、テレビ越しでも迫力があり圧巻だった。ところで、ボレロといえば同じメロディーが繰り返される曲として有名だ。このメロディーは私の生活にもよく似ている気がした。この大晦日の過ごし方、ここ何年も変わっていない。また、これから変えるつもりもない。私は多分、これからもこのままでいるのだと思う。
〜〜〜あとがき〜〜〜
今年も、どうかよろしくお願いします。とはいっても、小説はほんのわずかしか書いていないのですが。私はこれからも同じように、大晦日に五郎さんを眺めながら眠りこけるのでしょう。私の一年は、いつもと同じような日常から始まります。みなさんのそれぞれの過ごし方が、これからも大切に守られていきますように。気がつけば、これは小説ではなく、ただ私の話になっていました。
12/31/2025, 4:25:33 PM