どさどさどさ。
女はしでかしたな、と悟った
積み上げた分の重みと散乱振りに
否応もなく目が醒めた
時を刻む音すら聞かず
女はどっぷり浸かって眠ってた様で
ベージュの絨毯には踏み場も無い程に
厚みある本達はぐっちゃぐちゃ
はあさてどうしたものか。
物臭な女は頭を掻くが気付き顔で
赤と黄の装丁が混ざり落ちて秋らしい様相
いやはや乙なものだねと一人ぼやく
「そんな訳ないでしょうが」
音に気付いた同居人は
扉の先の光景に悲嘆しつつ
紅葉部屋と宣い創り上げた女に
呆れて言った
9/26/2022, 2:54:00 PM