「衣替え」
学生の頃は制服の衣替えが楽しみだった。
暫く着なかった服を着て、他の子を見るのも楽しみで。
そして、衣替えの時に、いつも母の愛を感じられた。
長い間しまってあった筈なのに、スカートのプリーツはキチンとなってるし、ほつれてた裾とかもいつの間にか直ってた。
少し防虫剤の臭いもするけど、でも大切に片付けてくれてたんだな、って思ってた。
恥ずかしくて一々口には出せなかったけど、ホントは感謝してたんだよ?
今は自分がする側になって。
別に娘も当たり前だと思ってるだろうし、特に感謝の言葉もない。
でも、いつか気付く。周りの優しさや、気遣いに。
親子に限らず、自分がしてもらった事を誰かに返して。そうやって、人は繋がっていく。
優しさとか、慈しみとか、そう言う気持ちをどんどん広げて行けば、皆が幸せになれるのに、と思う。
母に、父に、友達に、彼に、彼女に、先生に、同僚に、上司に、見知らぬ人に。
全ての人にしてもらって嬉しかった事を、相手が喜ぶ事を、人にしていこう。
優しさの、気遣いの、思い遣りの輪を広げていこう。
誰か一人が「自分さえ良ければ」そう思うとその輪は破綻するけど、でも現実や不安に負けて理想さえ口に出来なくなったら終わりだと思うから。
だから、綺麗事かもしれないけど、そうしていこう。
10/22/2024, 10:53:57 AM