誰も見たことのない景色は描けないが、 自分のまだ見ぬ景色なら描けるだろう。 無数のたましいが群がる記憶を形態化した 脳味噌を引き摺り出して、手のひらで握り潰し、 滴り落ちる脳髄を指先に染めて描けばいい。 空想から生み出された風景と人物なのに、 私のこころが畏れおののき震えるだろうよ。 確かに私はそこにいた、その人と出会ったと、 古の記憶が再び新しい海馬の渦となっていく。 (250113 まだ見ぬ景色)
1/13/2025, 11:51:06 AM