まだ寒い冬の朝。心を落ち着かせるように白い息を吐き出す。今日は大学の合否発表が行われる。第一志望の
大学に受かるかどうか私は今人生の岐路に立たされて
いる。
「やった、受かってる!!」
「落ちちゃった…」
など悲喜こもごもの声が聞こえて来て私も不安がピークに達する。ゆっくり掲示板の前まで歩く。自分の数字が
あるかどうか確認して行く。
889、900、901…、そして910番台に入った時───
915。あった。私の番号がそこにあった。嬉しくて涙が
溢れ落ちていく。良かった、私は成功の道を選べた。
さあ、この事を家族に報告しよう。
『岐路』
6/9/2023, 8:24:29 AM