うぐいす。

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 ごめん、と謝る私に君は、謝ったんだから別にいいよ、と笑顔で言ってくれた。
 昔からドジばかりしていた私を、いつも笑顔で赦してくれた君。
 どうして赦してくれるの、と聞くと、君は、
「悪いことや人に迷惑をかけたら、謝るのは当たり前だ。けど、残念ながら万人が出来ることじゃない。そんな行動をね、君はやってのけるんだよ。これって凄いことじゃないか」
 だから、僕の怒りは、君の前では風前の灯火のようなものなんだよ。
 まるでなんでもないことのように赦してくれた彼に、私はいつから恋をしていた―――。

「ごめん、ごめんなさい」
 君が女の子と二人きりで歩いていたから、思わず身体の奥がカッと熱くなって―――自分の感情を制御出来なかったの。
 ごめんなさい、ごめんなさい。
 私は何度も何度も、うわごとのように繰り返す。
 謝ったら、いつも赦してくれる君。
 なのに今日は、今日だけは。
 どうして、笑って赦してくれないんだろう?

5/29/2024, 10:40:59 AM