二人ぼっち
大きな戦争で文明が滅んだ、終末世界。
生き残った人類は、わずかな食料と水を求めて、瓦礫と化した地上を歩き回った。
「誰もいないね」 『二人ぼっちだ』
コンクリートの瓦礫の下から這い出した、子供が二人。
男の子と少し小さい女の子。
周りはコンクリートや鉄筋が飛び出す瓦礫の山。
「世界に僕らしかいないみたい」 『面白いね』
アスファルトが割れた地面を歩き、
瓦礫の山を飛び越えて、二人は進み始めた。
「どこに行こうか?」 『二人で生きていける所』
途中でガラクタを拾い、キレイめのペットボトルを探し
名も知らない花を摘んで、歌を歌う。
行く先には未だ、二人以外の人間が見えない。
二人ぼっちの世界に、笑い声がこだました。
3/22/2024, 7:20:48 AM