「一年前」という映画を観た。
いろんな人が登場し、その生活の様子をただ映す、そんな内容だった。
その映画にはボクの知り合いが出ていた。いま、彼女はこの世にはいない。
一年前の彼女は、スクリーンいっぱいの笑顔で花束を抱えていた。彼女が抱えていた花束は、ボクが誕生日にプレゼントしたもので、なぜか花束のままずっと咲きつづけていた。
彼女は、一年後にこの世にいないことを望んでいたのだろうか?
彼女は、一年後にはこの世にいないことを知っていたのだろうか?
映画を観たあと、ボクは部屋戻り、花束を持って海辺に向かった。彼女とよく散歩した場所だった。
日が暮れ、星が輝きはじめた頃、ボクは花束にそっと火をつけた。灰となっていく花をみて、灰となった彼女を想った。
5/9/2026, 7:02:05 AM