身体から、何かが流れ落ちてゆく。刺されたところが熱い。頭が揺れる。くすむ視界に、泣いている君が見えた。あぁ、泣かないで、大切な人。君が生きていれば、それで良いんだ。でも、できるなら君の笑顔が見たい。もう腕が上がらない。さっきまで聞こえていた車や人の雑踏の音も、もうわからない。君がまだ泣いている。ごめんね。何も聴こえないんだ。あぁ、でも、最期にこれだけは……
「ぁ、いして……る」
今までありがとう……大好きだったよ。生まれ変わったら、もう一度会おうね。
「じゃ……ね、……また……ぃつか」
2/6/2024, 8:43:41 AM