すれ違い
よく兄とは仲がいいと昔から言われていた。
それを俺たち兄弟は誇りに思っていた...
だが俺たちが大人に近づいていくにつれて
接することも減ってきた。
その時に気づいた。
俺たちはお互いの好きなことや趣味、
考え方についてあまり知らないのでは...?と。
実際今の兄がどんな価値観を持っているのかは
偏見でしか知らない。
それからある日、事件は起きた。
兄は俺のためと言いながらも俺の大切なものを侮辱した。
そこから関係は修復することなく劣悪になっていった。
そこで俺は気づいた。
昔から仲が良かったわけじゃない。何も知ろうとしなかったからこそ喧嘩が起きなかった。
とうの昔から俺たちはどこかですれ違っていたようで、
偽りの仲の良さに誰も気付かなかったんだ。
語り部シルヴァ
10/20/2024, 6:20:05 AM