鎧を下ろした自分

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今日もまた晴れていた。始業式だ。制服のスカートの丈が短い、身長が少し伸びたのかな。
両親は共働きだ。だから、おじいちゃんが学校までいつも送ってくれる。
青春時代の真っ只中で、思春期。家族の愛が恥ずかしい。
車に乗った。いつもと変わらない道だ。
今日もいつものファミリーマートの角をまがる。
信号待ちの人がいるなぁ。こんな時間に何するんだろ。
私服だし、大学生?いや、顔が老けてる。まぁどうでもいいや。

僕はファミリーマートの前で待っていた。これから仕事へ向かう。
目の前を、車が通った。女子学生とその祖父か。羨ましい。
自分にも祖父と車に乗っていた時があった。もう叶わないけど。
2人は無言で、女子学生はムスッとしてたなぁ。わかる。
俺もそうだった。
だけど、今思うとあの子の過ごす時間が羨ましい。
目の前を一瞬通った、あの2人が乗った車は止まっていたかの様に感じた。同時に懐かしい気持ちになった。

今日もどこかで誰かが僕と同じ様に懐かしさを感じているのだろうか。誰かに懐かしさを与えてるのだろうか。
皆さんの代わりに、思い出させてくれてありがとう。と伝えたい。


4/12/2024, 9:56:09 PM