「今、何時?」
彼女は僕の腕の中でもぞもぞと動く
そーね、だいたいねー
「もう少しで0時だよ」
彼女は、口紅が擦り取られ、唇の輪郭がぼやけていた
「時間大丈夫、、?」彼女はちらっと時計を見る
「大丈夫。妻にはちゃんと言ってある」
夢幻の時間が刻一刻と終わりを告げていく
僕は、彼女の毛先を優しく溶かす。
気怠さが異様に心地良い
テーブルには飲みかけのグラスが2つ置かれてある
「奥さんと私、どっちを愛してる?」
彼女は悪戯っぽく微笑むと僕の唇をなぞる
「冗談はやめてくれ」
僕は不貞腐れたように視線を逸らす。
後ろめたさが無いわけではない。
今にだって妻子の顔が浮かび上がる
彼女との関係は、一時の気の迷いだと信じ込ませた。
ふぅんと彼女は僕を見つめるとクスッと微笑む
「ねぇ、こうしてまた会いに行っても良い?」
肩が大きく動く。断りたい。
だが目眩もするほどの甘味を知った今となっては、断る余地もない。
そもそも、勢いをつけて回った歯車が、そう簡単に止まるはずがなかった。
ミッドナイト
それは始まりでも終わりでもない
甘い地獄への、終わらない予兆だった。
1/26/2026, 11:15:45 AM