「私とあなたじゃ住む世界が違う 第六十八話」
「帰ったぞー」
マンションに帰って来たカインド達は、起きている住人を探しましたが、全員寝ているのか返事がありませんでした。
「随分、質素な住処だな…もう少しランクが上でも良いんじゃないか?」
「このマンションを管理しているのはパズルです。ローズ、あんまりとやかく言うと追い出されますよ?」
「パズル?!あの盗賊集団か?」
「ローズ、声が大きいです」
ローズは、コレはマズいと思い、小声になりました。
「何で、アメジスト達がパズルの縄張りに居るんだ?偵察か?」
「ほぼ正解ですね」
「アメジストもアンバーも一般人だろ。大丈夫か?向こうは現役だから、いざって時は勝てないだろ」
「その時は、逃げるか回帰光玉で対処するしか無いですね。だが、フロンティアウォーカーの皆さんが居ます。何とかなるでしょう」
「その為の彼らか…」
ローズは、カインドの方を見ました。
「二人共、何コソコソ話してるんだ?」
「あ…いやな」
「パズルのどなたかを呼んだ方が良いですね。ローズの部屋が無いのは可哀想ですから」
「あ、そうだな。管理人室に行くか」
カインドは、管理人室に行きました。
「マゼンタさん、新しい住人が来たから部屋用意してくれないか?…あれ?」
管理人室には、スノーが居ました。
「おう、かまへんで!部屋やな」
そして、ローズが来てから数日が経ちました。
「さーて、今日はどこ行こうかなー?志那は、相変わらず元気がないし、志那の好きなモンでも買って来るかー?」
由里は、マンション内を歩いていると、ある事に気づきました。
「あれー?そう言えば、最近、パズルの皆さん見かけないぞー?」
「オレは居るぞ」
スノーがひょっこり現れました。
「ウワッ!ビックリした!」
「パズルの皆さん何処に行ったー?みたいな顔しとるな」
「いや、本当に何処行った?!」
「オレ以外、みーんな二次元国に行ってん。拠点に次々に刺客を送り込んどるヤツがソコに居るみたいやからな」
「…で、何でスノーさんだけ残ってるの?」
「オレは留守番」
「留守番って…寂しく無いんですか?」
「アホ!オレは大人やで?」
「いや、だってね?戦争中だし、帰って来れない可能性だってあるじゃないですか?」
「あ…ソレ、あったな…」
二人は、黙ってしまいました。
「今宵の別れか…まさかな」
「あ!そうだ!コレからあやりんに会いに行くんだけど、スノーさんも一緒に行きませんか?」
「あやりんって誰や?」
スノーは、誰それみたいな顔をしていました。
「元々2.5次元国に住んでた芸能人で、この人、スッゴく人気があるんですよ!もう、家もすごく大きいし…」
「2.5次元って事は、配信者やな」
「そりゃあ、配信者でもあり、芸能人でもあるスーパースターですよ!!」
由里は、大興奮していました。
「(この子、えらいミーハーやな…)分かった、どうせ暇やし付き合ってもエエで?」
「ヤッター!じゃ、早速行きましょー!」
由里とスノーは、あやりんの家に行く事になりました。
2/17/2023, 11:18:33 AM