この世界は
屈折とは
光波・音波などが、一つの媒質から他の媒質にはいる時、その境の面で進む向きが変わること。
「ねぇ朱里(あかり)、このノート渡しといてくれる」
「自分で渡してみたら」
「だって、溝口さんってなんかずっと怒ってるじゃん。怖いもん」
「じゃあわかった。渡しとくね」
私は溝口胡桃(くるみ)と書かれてあるノートを受け取る
私は自席に座っている胡桃の元へとノートを届ける
「胡桃、これ、ノート返ってきたけど」
「いらない!」
胡桃はそっぽを向いたままそう言う
そしてちらっとこちらを見てから胡桃はノートを奪い取るように受け取る
今日も1日の授業が終わり、私は胡桃の席へと向かう
胡桃は帰り支度をしている最中だった
私はそんな周りの様子なんて気にしていない胡桃に話しかけた
「胡桃、一緒に帰ろう」
「やだ!」
胡桃は帰り支度の手を止めないで言った
そう言われて私はカバンを肩にかけて教室を出て、廊下を歩いて1人帰路へと向かう
すると気づけば、左後ろに胡桃がカバンを持ってついてきている
私は何気なく口にする
「今日もいい天気だね」
「雨!」
胡桃はそう返事する
私の友達、溝口胡桃が見ている世界は屈折している
胡桃は他の人とは見えている世界が違うだけ
屈折しているだけなのだ
私と胡桃は一緒に帰路を歩いていた
すると
「あっちいけ!」
胡桃が急にそんな事を言う
「えっなんで?」
私はそんな率直な疑問が口を出た
胡桃は向こうの方を指差している
「お前なんて大嫌い!」
「はいはい」
私は胡桃が指差す方へと1人歩いていく
そしてちらっと胡桃の方を振り向くと
胡桃は小さな少女が落としたのであろうマフラーを拾って渡してあげていた
1/16/2026, 1:16:59 AM