【ジャングルジム】#8
俺は昔、家から追い出されていた。
暴力を振るう母が、彼氏を家に連れてくるからだ。
俺は毎回、家から追い出された時はここの公園に来ていた。
そんな俺も、もう社会人。
スーパーの社員として働いている。
「いらっしゃいませ〜」
『ちょっと!この商品賞味期限切れてるじゃないの!!』
「ほんとですか?大変申し訳ありません。」
「商品お預かりします。」
『わたし、もうこの商品買っちゃったの!!』
『だから、商品の交換と、この商品の分のお金!返してね!?』
「えっと、、商品の交換は出来るんですけど、、代金を返すことはちょっと、、」
「後、この商品いつ買いましたか?」
『確か、昨日よ!』
「昨日はおかしいと思うんですけど、、」
「賞味期限が、一昨日になってますので、、賞味期限が切れたものは置きません。」
『いや、おかしいわね!!嘘つくんじゃないわよ!!あんたじゃ埒あかないわ!!店長!!店長呼びなさい!』
「はい、、」
はぁ、めんどくさい客に絡まれてしまった。
その日は疲れて、家から追い出されてた頃によく行ってた公園に行った。
「あ、ジャングルジム、懐かしい、」
昔はここで夜を過ごしたこともあったな、と思い出に浸る。
俺にとって、ジャングルジムは、遊び場でもあり、寝床でもある。
大切な、大事な、ジャングルジムだ。
9/23/2023, 11:54:38 PM