世界に一つだけ
「『ひとつ』って数え方はしないけど、あたしたち人間はみんな世界にひとりしかいないよね」
「それもそうだね。同姓同名がいたとしても、同じ人生なんかないもんね」
「世界に一つだけの花って名曲があってだな」
「こいつと全く同じ人間がいてたまるかって本気で思ってる」
「言えてる」
「なんでだよ」
どこかで、数十年ぶり再会した生き別れの双子が、偶然の一致とは思えないほどの共通項を人生で繰り返していたという話を聞いたことがある。買っていたペットの名前、幼少期に熱中したスポーツ、愛車、仕事、果ては奥さんの名前まで全部一緒だったらしい。
でも、よりもっと人生を照らし合わせたら、ひとつぐらい違うものだってあるんじゃないか。そう考える私は少し捻くれてるのかもしれない。
こうして駄弁っている私も、弟も、後輩も、同姓同名はいるかもしれないけれど、唯一無二の存在だ。私が認知している弟と後輩は目の前の彼らだけ。それは彼らにとっても同じ。彼らが認識している『私』は、私しかいない。
いまこの時、その苗字名前で、その場所で、たまたまこれを読んでいるあなたは世界でひとりしかいない。
「自分のことを『所詮歯車のひとつ』って卑下する言葉があるけどさ、歯車が1個でも欠けたら機械は動かなくなるんだよね」
どうか皆々様ご自愛くださいね。世界にたったひとりだけの自分を認めて愛してやって。
私もなるべくそうします。
(いつもの3人シリーズ)
9/9/2024, 11:44:04 AM