せつか

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「おかしいでしょ。騙されてるよ。でなきゃ、洗脳されてるよ」
「やなこと言うなぁ」
「だってそうでしょ。殴られて金巻き上げられて、それで愛してるって」
「でも私のために泣いてくれたんだよ」
「自分に酔ってんだよソレ。立派な傷害罪じゃん。アザになってんじゃん」
「そうしたくて我慢出来ないんだよ、彼」
「だからそれがおかしいんだって」
「おかしいおかしいって、私の好きな彼を否定しないでよ」
「――でもさぁ!」
「·····ねえ。アンタが彼の事聞きたいって言うから話したんだよ? アンタとは付き合い長いけど、私の何を知って、彼の何を知ってそんな事言うの?」
「なに、って·····」
「アンタとは長い付き合いだけど、私についてアンタが知らない事、山ほどあるからね」
「·····っ」
「私は私の意志で彼を選んだんだから。他の誰がなんと言おうと、私はこの関係が正解で、真実だと思ってるから。まだ彼のこと悪く言うなら··········友達やめる」

「·····ごめん」
「分かってくれたならいいよ」
「もう何も言わない」
「良かった」

「貴女が誰かを信じて貫いたように、私は私の愛を貫くよ」
「――え?」


◆◆◆


「全部貴方がやったの?」
「――はい。私が首を締めて殺しました」
「どうして?」
「··········」
「··········」
「私は私の愛を貫かなきゃいけなかったんです」
「··········そうですか」



END


「True love」

7/23/2025, 5:19:56 PM