有里

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 僕は夜の街を歩いていた。1日の疲れが溜まりきった体は重く、思わず深いため息がもれる。

 少しでも気分を上げたくて、僕は空を見上げた。
 しかし、街灯や建物から漏れる光の明るさに霞んで、星はほとんど見えない。虚しさがより胸に染み込んでいくのを感じた。

 今、死んだら楽だろうな。

 空を見上げながら、そんな考えが頭をよぎった。そしてすぐさま、僕の中でその考えを否定する。

 僕が今死ねば、多くの人に迷惑がかかるだろう。それに、僕の苦痛などありきたりで、自殺の免罪符にはならないだろう。何より、僕に自ら死に踏み切る勇気はない。
 出来ないことを考えても、余計虚しくなるだけだ。

 僕は歩く足を速めた。
 結局、僕はこうして命が自然と燃え尽きるまで生き続けるのだろう。

《題:命が燃え尽きるまで》

9/15/2023, 12:51:25 AM