はるさめ

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誰よりもダメだったと思う今日です。
なのでペンは持てません。綴れません。
綴るほどの思いがあるのかどうかさえも見えなくなっているのです。
今机に向かってしまったら、きっと私は訳の分からない焦燥感や悲しみに駆られ、商売道具である紙を破きペンを折ってしまうでしょう。
そうなってしまったら、正気に戻った時もっともっと自分を責めてしまいます。

10代の頃心の内を書き殴った作品が思わぬ形で評価され、随分と遠くまできました。
ありがたいことに私は文章でこの命を繋ぐことができています。
しかし、評価される作品を書くことばかりが求められ、気づけば私は野良の表現者ではなく名声の傀儡と成り下がっていました。

傀儡にも心はあるのです。どうしようもなく紙に向かえない、ペンを持てない、命を燃やせない時があるのです。それを分かってほしいのです。

私の身の内に眠る激情は、傀儡には到底相応しくありません。
どうか、どうか、誰か私を野に放って。

2/16/2023, 2:05:28 PM