奇麗

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鐘の音が聞こえる。

朝日が影と光の境界線を創り出す。

まっしろな廊下を歩いて教室へ。

ーーへ
後で資料室来て〜!
お願い!!
僕1人であの量の資料分けらんないよ~
待ってるからね!!?
            ーーーより

資料室、、、

しゃあない、いくかぁ。

まだ眠気の取れない体をのろのろと動かす。

早朝の生徒が来ていない廊下は静かで心地いい。

廊下まで溢れた紙と電子メモリ。

その部屋から漏れ出る光と廊下の光が混ざりあう。

「おぉ~、きたきた」

きたきたじゃないわ資料の虫が。

なんて、思いつつふり返る。

混ざりあう光の中でやわらかく笑う資料の虫こと君がいた。

はぁ~、、、もう、、

静かでまっしろな廊下と

混ざり合う光と

笑う資料の虫が綺麗だから。

だからそれに免じて、、、

『はいはい、俺が手伝ってあげますよ』

資料と電子メモリをひろいあげる。

8/5/2023, 11:10:19 AM