kiliu yoa

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「もしもし、お電話ありがとうございます。こちらサポートセンターです。」

「こんにちは、そちらからショートメールが届いていたので、連絡させて頂きました。」

「はい、ご連絡ありがとうございます。」

「…あの、すみません。少し、よろしいでしょうか。」

「はい、勿論です。」

「私のような者がいうのは難ですが、あまりご自分を殺さないで下さい。私はあなたのことを何も存じません。ですが、これだけは言えます。あなたは、幸せになって良い、と。あなたの過去に何があろうとも。この先、過去を問われようとも。もし、この世界にあなたの幸せと平穏を祈る者がいないのであれば、私が祈ります。どうか、忘れないで下さい。わたしは、あなたの味方です。なにが在ろうとも。」

「…はい。」なにかを堪えるように、震える声で呟いた。

「どうか、ご達者で。」上品な暖かい声で応えた。

「……、はい。」鼻がつまり、また堪えるように震えた声だった。

 

 サポートセンターの連絡は、詐欺だった。後に、サポートセンターでの電話役の者が自首をしたことで発覚した。

 その者は、後のインタビューでこう語る。私の人生を変えた出来事だった、と。見知らぬ、誰かのために思いやれる人になりたい、と…初めて思えた瞬間だった、と。

 


7/21/2023, 3:53:56 PM