「ねぇ、あの雲魚みたいじゃない?」
窓際に居た君が指指した方向を見れば、ゆっくりと空を泳ぐ雲があった。確かに、魚のような形をしている。
「ほんとだ。魚っぽいね」
「だよね!!……あ!あっちの雲はねー、くま!」
「え?あそこの雲はうさぎじゃない??」
「いや。あれは絶対にくまだよ」
「そうかなぁ」
そんな会話をしながら、青空を流れる雲を見る。
晴れ晴れとした空をぼんやり眺めては、青いなぁなんて当たり前の事を思って。からりと照った太陽が眩しい。
「……海、行きたいなぁ」
「どしたの、いきなり」
「なんか、青空見てたら海行きたくなって。行かない?今から」
君の唐突な提案にはもう慣れっこだ。承諾すれば嬉しそうに準備を始める君。
君の鼻歌が、澄み切った青空と同じくらい綺麗で明るく聴こえた。
(空を見上げて心に浮かんだこと)
7/16/2022, 4:18:39 PM