しろ

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夢中になって歩いていたせいか、出口まであっという間に近づいた。前方を見ると青空が広がっている。

「そろそろ着くよ。ここまでお疲れ様、ほら見てみて。」

広がっていた景色に息を呑んだ。
お花畑だ。
出口付近は小高くなっておりお花畑を見下ろせるようになっていた。赤、青、黄、白…数えてもキリがないくらいの色と種類。横を流れる小川と鳥の囀り。風に運ばれる草木と花の香り。まるでアニメや映画のワンシーンのようだった。
景色に見惚れていると彼女が横のほうを指差した。

「あそこから降りれるよ。」

横には階段があり、降りてみると花畑の中へつながる道が続いていた。歩いてみるとさっきまでの景色とは違い、風に揺れる花、ふんわりとした花の香りがより感じられ、まるで花たちが何かを祝福してくれているかのようだった。彼女曰く多少なら花を摘んでも大丈夫とのことだったが美しく咲き誇っている花達をみているとそれはためらわれた。

「ここが私の大切な場所。守りたい場所。私ね、この世界が好きなんだ。この世界は宝物がいっぱい。だから君がこの世界に来てくれた時、私嬉しかったんだ。大切な人とこんなにも素敵な宝物を共有できるんだから。君に見せたい景色はまだまだあるんだ。だからこれからも私と旅をしてほしい。」

少し照れた彼女はそよ風に靡き、まるで天使のようだった。そんな僕も少し照れくさく頷いた。

本当にいつも彼女からはもらってばかりだ。
僕はまだ彼女に何もできてない。
だから彼女が望むのなら僕は喜んで守りたい。
一生かけてかえしていきたい。
希望をくれた君に。
大好きな君に。

〜終わり〜

「君と見た景色」

昨日の分です。遅くなってしまい申し訳ないです。


「bye bye…」を見た時、back numberのハッピーエンドが連想された。ハッピーエンドといえば歌詞中の「青いまま枯れてゆく」とはどのような意味なのだろう。そう思い調べたところ青い花は幸福や運命の象徴を表していると出た。
もしこの世界から僕がいなくなってしまう時が来たとしても青いまま誰も悲しませずに消えることができたらいいな

「bye bye…」

3/23/2025, 8:45:13 AM