ふわふわとしている。
頭が、身体が、心が。
纒う白い絹。
踏み締める赤い絨毯。
流れ聞こえる囃子の音。
歓喜の色が花として咲き誇る。
傘と角隠しに覆われた表情は分からない。
けれど待ち受ける花婿の表情が物語っている。
この晴れ晴れとした青空のようなその微笑みが。
どこのお姫様だろうか、そう隣に囁いた。
隣から返事はないが、いつもは冷たい手が熱いくらいになっている。
キラキラとした瞳がいつも以上に輝いて釘付けになっている。
どうやらこちらの囁きは一音も届いていないようだ。
ボクらも幸せになろうね。
届かない囁きの答えは、大人になったらもう一度尋ねる事にしよう。
“幸せに”
3/31/2024, 11:55:45 AM