ミカエル

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ギコギコ、トントン、ガガガッ!
あ〜、いいな〜この音!
う〜ん、何作ってるんだろ。
父さんの事だから、新しい発明品だろうけど、今回は売れるかな〜。
この前は1000円でしか売れなかったから、不安だな〜。
そうだ!ちょっとだけ、作ってる様子を見てみようかな〜。
たったったったっ
ガチャ!
「父さん!何作ってるの?」
「ああ、要。起こしてしまったか。今は、これを作っていたんだよ。」
「ん?なあに、これ。ただの木材にしか見えないんだけど。」
「今はまだそうだね。でもこれは、写真立てを作っているんだよ。」
「え!?写真立てって売れるの?!」
「いいや、売るんじゃないよ。この前、要と父さんと母さんで撮った写真があるだろう。その写真を立てるために作っているんだよ。」
「え〜。機械のほうが面白いのに。」
「でも、写真立ては、思い出を残しておくために必要だろう。」
「たしかにそうだけど、なんかな〜。」
「わかった。じゃあ、写真立てを作り終えたら、要専用のカメラを作ろう。そうしたら、要も写真を残せるよ。」
「え!やった〜!ありがと、父さん!」
「ははっ。なら、少し手伝ってくれるかな。」
「うん!もちろん!」
「この木材と、この木材をのりでくっつけるんだよ。普通だったらトンカチでやるけど、危ないからのりにしてね。」
「は〜い!……っと、こうやって、ぐぐってくっつけて〜………。!できたよ!」
「よし、ありがとう。そしたら、要も学校の準備をしないと。」
「あ!ほんとだ!もうこんな時間なんだね〜」
「さて、遅れないようにしないとだよ。」
「うん!じゃあまた後でね!」
たったったったっ
ガチャ
「おはよう、母さん!」
「あら要。おはよう」
「さっき、父さんのところに行って、写真立てを作るところを見せてもらって、おれもちょっと手伝ったんだ!」
「そうなのね。それより、早く準備して勉強しなさい。たしかに、お父さんの発明を見るのもいいけど、勉強ができないと、お父さんみたいにはなれませんよ。」
「う、はい。」
母さんの言うことももちろんわかるけど、もうちょっと自由にさせてくれないかなあ。
ま、おれの夢は発明家だし、そのために協力してくれるならわがまま言えないか〜。
さて、支度支度〜っと。

6/23/2024, 1:06:53 PM