俺が生きていた時。
貴女に送り出され、一人で放浪した旅の間、幾度星空を見上げて貴女を想ったことでしょうか。
貴女もこの星空を眺めて、俺のことを想ってくださっていたら、これほど嬉しいことはないなと思ったものです。
貴女は誰にでも愛を与えました。
そうでなければ、俺が貴女の愛の恩恵に浴することはありませんでした。だから、俺のことだけを思って夜空を見上げたことは、きっとなかったでしょう。
それが分かっていても、つい願ったものです。
貴女のその「たったひとりの人」が、俺であったらいいのに、と。
7/5/2024, 3:00:19 PM