《「ごめんね」》
「2人で久しぶりにデートしようって言ってここまで来たけど何すんの?」
「うーん、どうしよっか」
私は遠距離恋愛をしている彼と久しぶりにデートしている。ここまで私は全く表に出さなかったが、
心中するつもりだ。
理由は…彼の浮気だ。その上私から色々なものを奪っていった。1番奪られたのはお金だろう。結婚詐欺とかに近しい手口だった。
ならばそうなる前に別れれば?―そう言われたらそうなのだが…
私は彼にどっぷりハマってしまっていた。抜け出せなかった。というより気づかなかった。
こないだ友人に言われてやっと気づいたぐらいだ。
それから…私は復讐を企み始めた。自分でも馬鹿なのは分かっている。だが、こうでもしないと自分の中で整理がつかなかった。
だから、私は―
「何するか…ね。こういうのはどう?」
懐からナイフを取り出す。
「心中する」
彼が声を発する前に―私は彼の胸にナイフを突き立てていた。
見たことない量の血があたりに飛び散った。普通ならこんなことすると怪しまれるが…
そうならないように場所を選んだ。真夜中の海岸沿いの崖。ここなら誰も助けが来ないだろう。
息も絶え絶えになっている彼を崖から引きずり落とした。
そして―私は首を切った。崖から飛び降りた。
落ちる途中、何故か、誰に対してなのか分からないが1つの言葉が思い浮かんだ。
「ごめんね」
5/29/2024, 11:42:44 AM