橙色

Open App

「君に会いたくて」

 「ただいま」と言う自分の声がやけに大きく響く。言ったところで返事はないけれど、いつの間にか習慣づいていたらしい。先日までは私が帰ってきたら君の「おかえり」と温かなハグが迎えてくれたのに、今は玄関で1人立ち尽くす私がいるだけだ。
 君がいない。それが痛いほど伝わってきて、胸が苦しくなり視界が潤んで涙が溢れた。一度流れると止まらず、靴も脱がないまま玄関にしゃがみ込んだ。
 君のいない日々が、こんなに寂しいと思わなかった。君のいない部屋がこんなに静かで冷たいなんて知らなかった。
 君に会いたくて仕方がない。君を抱きしめたい、言葉を交わしたい。笑顔が見たい。
 どれもこれも叶わない願いだ。どれだけ会いたくても会えない。
 君のいないこれからの私の人生は全てがモノクロで無機質だ。

1/19/2026, 1:34:38 PM