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ボクはお世話ロボット

雨が穴の空いた身体を叩き続け、今や錆付きが酷い

仰向けで暗雲の流れを眺めながらわずかに動かせる左手を持ち上げる
ガタガタと奇妙な音がなりなんとか左手が視界に入る程に動かす事が出来た
足はボロボロでパーツが破損し過ぎていて立つことは困難だ

かつての色んなご主人様を思い浮かべた
機械であるがゆえに涙なんて出るはずもないが眼球のパーツから地面に水滴が滴り落ちる

意識を失うのはいつになるだろうか
お世話ロボットがゆえに太陽光で動力が蓄えられるように設計されている
いつまでも御世話が出来る無限のエネルギーは素晴らしいものだ。

しかし、メンテナーのいないこの世界では残酷に等しい。
本当にもうおかしくなりそうだ
人間で言う『死ぬ』という定義がボクに満たされるのは果てしない悠久の時が過ぎた後になるだろう

1000年後にボクが『壊れない』事を祈る



2/3/2024, 3:18:53 PM